店舗から出て考えよう! 自分が思うほど他人は見てない・・・

おすすめ本
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ご覧いただきありがとうございます。

お店の業務改善にはいろいろな側面があります。

利益をだそうとする中で、もっと良いサービスをもっと低コストで!と日々努力しています。

その中で作業を標準化し、属人的な業務を減らして人件費という最大コストを効率良く運用するのは必然の命題になっています。

特にチェーンストアではABC(アクティビティ・ベースド・コスティング)のような考え方で、単価の高い正社員にはより高い生産性を求める為、定型作業は全てパートさんにお願いし極力社員を減らすことがこの15年程で進んできました。そしてその先には流行りのRPAのような人の作業を減らす技術が導入され、究極は無人店舗が出てきています。

ABCに関してはこちらの記事で書きました。

本当のコストってなんだろう-ABC
サイトをご覧いただきありがとうございます。 レジ袋の有料化の話題がニュースなどでとりあげられていました。 当たり前ですが消費者としては環境への配慮は理解はできるが負担が増えるのはいやだよ。という意見が大半のようです。 そんなニュースを見なが...

このことの功罪はともかく、店長や店舗幹部が店の中にいないと何も始まらないというようなことはどんどん少なくなってきていると思います。

その分、頭を使って効率を上げたり、戦略をたてて不確定ななかでの意思決定などが求められる時代になりました。

個人的にはさみしいことですが働き方改革の圧力もあり、一昔前の根性で売場を作り属人的に売上をたたき出す仕事は時代遅れになりました。

そして店舗内の効率化も、目新しく革新的なものはなかなか生まれないのが実情です。

しかし効率化が進んだとはいえ暮らしを良くする為にも改善の歩みは消して止まりません。

そこで、身体的には余力が増やす事が可能になったのですから、絞り切った雑巾のように見える店舗内効率アップから一旦離れて、もう一度お店のオープンに立ち戻って外からお店を見てはどうでしょう。

外からお店を見てみよう!

参考になりそうな本をご紹介します。

立地・商圏要因による店舗売上改善

この本のコンセプトは

内部の日々の改善も重要だが、店舗の活性化を「店舗の外から見て」ようは「お客様からこの店がどう見えているのか」を軸に考えていこう

というものです。近隣の生活者や通行者の視点からお店を再発見しようとうことでしょう。

売上は分解すると 売上=客数×客単価  客数=新規客+リピート客-流出客

となりますよね。そして基礎数値の大部分は客数に依存しています。

そして客数対策で店舗でやっていることは、基本的にリピート客対策になっていると思います。

チラシは基本的に毎回同じように撒きますし、店内の販促も曜日変わりの販促やポイント施策は固定客を付ける為、ようは囲い込み戦略です。

これはある意味では合理的です。

私は営業もやったことがあります。

勿論、営業に限らず新規顧客獲得コストは顧客維持コストに比べるとはるかに高いのは常識というか通説になっています。

しかし店舗ビジネスではOPEN特売の期間を過ぎるとなかなか新規顧客獲得のコストをかけようとはしません。

メディア露出ができる大手などは別ですが、ほとんどの店舗は待ちの姿勢ではないかと思います。

これは出店時に大きな費用をすでにかけていることもありますし、地代・家賃にある程度期待される集客分は乗せられているのですから何もしなくても、お客様にどんどん来て欲しいところです。

なかなか期待収支が読めない投資は避けたいところなのは良くわかります。

ですが、本当に体力勝負の血みどろの新規獲得ではなく、ただたんにお客様が手から零れ落ちているだけだとしたらそれを回収するコストは劇的に下がると思います。

必要なコストさえきちんとかければ短時間で小コストで効果が出るはずです。

その検証の考え方をこの本で学べます。

根拠をもって考えれば新規投資は怖くない

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私はマインドフローという考え方が好きなのでこれは認知の部分での流出がボトルネックになっているのではという仮説から入りました。

この本の著者もいっているのですが、数字の根拠を置かないと結果の要因分析と持続改善が見当違いになってしまう確率が大きいので大事なことだと思います。

 

まず流出率を検討する為にも分母の確認が必要です。

この本では

商圏要因 商圏範囲のポテンシャル で最大の売上可能性を検討し

立地要因 ポテンシャルを効率よく吸収する条件 

で流出率を下げる施策を考えていきます。

ここではマインドフローの、認知の部分のマインドフロー というように入れ子で考えるのが良いと思います。

マインドフローに関してはこちらをご覧ください。

全小売従業員必読!お客様の増やし方~マインドフロー~
お客様の視点に立つのは難しい!だから差がつく。 ・マインドフローを理解すれば、チラシから単品販売まで応用がきき数値をコントロールできる。 商売は確立の積算 いきあたりばったりは卒業しよう。    「売上を上げろ!」とミッションが降りてきます...

まず商圏要因

・マーケット規模(人口・売上)・商圏の質(コアターゲット層の量)・競合(代替性)

これはある提訴具体的な数字で定量的に推定できると思います。

そこから導き出される客数・売上と現在の客数・売上の差が流出(とりこぼし)です。

そして立地要因で改善できるところはないか、検討するわけですが、考える要素として

・集客施設(人が集まる)・認知性(見える・知ってる)・動線(どこに店舗があるか)

・建物の構造(大きい方が人は集まる)・アプローチ(心理的、物理的入りやすさ)

が挙げられています。

特に赤く書いた「認知性」「アプローチ」が店舗で改善可能な範囲でしょうからここを重点に見てきます。

みんなが知っているなんて思いこみ

まず流出率はわかったが現実的に売上を伸ばす余地はあるのか確認するのに

店舗認知度調査を行いましょう。

実際にはことあるごとに合う人に聞けばいいのですが、結果は意外と知られていないという自店の現状が出てくることが多いようです。うちは何年もここでやってる店だから。とか主婦は地元のスーパーなんかは全部知っているだろうとかは思い込みのようです。

それもそのはず、当時の統計ではどの地域でも基本的に5年間で15-30%の住民が入れ替わっていたそうです。

これは小売店舗にとって死活的な数字です。5年間で15-30%は知ってくれている人がいなくなるわけです。流入してきた15-30%の人が気づくまでなにもせずに待っていたらそれはじり貧になります。

すぐに手を打ちましょう。

工夫は身近なところから

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まずは認知性=視界性+周知性ということですから、道行く人にお店や看板がきちんと見えるように何か工夫はできないかお客様の目線から確認しましょう。

お店の外の一番近い部分からはじましょう。すぐに効果が出る可能性が高いですから。

その際CI(コーポレトアイデンティティ)は後回しです。

何屋なのか一目でわかるような看板・店頭にしないといけません。

身内がみていいよねと思うことにはあまり意味がありません。

ファサードの看板はシンプルイズベスト。ラーメン屋ならこだわりより「らーめん」

スーパーなら「スーパーマーケット」店舗名より業態を先に認知してもらわないと選択肢に入りづらくなります。お客様は最初からお店を指名しているのではなく、業態に対する期待からまず入るからです。確率を上げる為には分母の大きいところからアピールしていきましょう。

店にこないお客様は私の店を知ったうえで他店に行っている。

というのは傲慢な思い込みのようです。

それを前提にシンプルなわかりやすさは客層の広がりを期待できます。

また週末に客が増える(ふらっと寄ってみる)効果も期待できます。

良い店頭の条件は

1 目立つこと(なるべく遠くからもきちんと見えること)
2 光や動きなどで目に飛び込んでくること
3 安心感があること(何屋かわかる・明るい・価格がわかる・店内が見える)
4 店舗の情報がわかること(支払方法・配送はあるか)
5 障害がないこと(広く・障害がなく清潔)

です。

自分のお店はどうでしょうか。普段のメンテナンスはもちろんですが、流出率が推定できればある程度のコストを掛けた時の見返りもつかみやすくなります。

その他にも多くの実店舗の実例が乗っていて店の外にも多くの改善ポイントがあることに気付くと思います。

 

この本はその他にも市場開拓の為に

折込チラシ ポスティング 手配り 看板

などをどのように考え分析・検証すのかなどの考え方や、スクラップ&ビルドまで踏み込んで店の外(付近の生活者の視点)からの改善手法を解説していますが、コスト面から現場の決済ではないと思うので興味のある方は是非本書をお読みください。

 

改善の種はいたるところに転がっています。

それに気づく確率を上げる為にもいろいろな先人の知見を参考にして、利益を上げていきましょう。

お読み頂きありがとうございました。

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