お客様の視点に立つのは難しい!だから差がつく。
・マインドフローを理解すれば、チラシから単品販売まで応用がきき数値をコントロールできる。
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商売は確立の積算 いきあたりばったりは卒業しよう。
「売上を上げろ!」とミッションが降りてきます。そこで「店頭で安く売れ!」とやると、お客様はすぐに慣れるので、インパクトがなくなり行き詰まります。更に粗利率は下がるのに経費額は増えるので、投資に対する回収が非常に困難になります。
ですから、一旦立ち止まってきちんと仮設をたてましょう。
商売には伝統的に使われている計算式があります。代表的なもので売上分解があります。
どんな行動もこの式のどこかに影響しないなら、売上には絶対にインパクトを与えません!
そしてセルフ販売を行ううえでどこから手を付けるのがいいかというと、やはり客数です。
お客様が増えれば、ほとんどの問題は解決する!
私が働いているスーパーという業種は、一般的に5000-10000近いアイテムが売り場で動いています。
その膨大な商品のなかから、日々の食事の支度をする為に、15分ほどの滞在時間で、数日分の食費を予算に商品を選んでお買い上げ頂くのがモデルの業態です。
どんなにいい商品でも1000人のお客様が来店した時に100個売れるものは、全アイテムの1%も存在しません。
店頭でさらに安売りしようが、レジ前についで買いアイテムを山ほど足そうが、客単価が大きく上がることは稀ですし、長くつづきません。
でも、雪の前の日や、競合店が休みの時に、自然と客数が増えてびっくりする売上になったという話はよくあります。
もちろん小売りは細かなことの積み重ねですから、細部に注力するのは否定しませんが、優先順位(インパクト)を考えたとき最初に手をつけるのは「客数」というのが論理的だと思います。
絶対におすすめしたい本が「実戦 顧客倍増マーケティング戦略 (事例でわかる)」佐藤義典
「そうはいっても、競合との勝負に勝つには、特売でしょ?」
この意見ももっともです。実際の打ち手がそうなることは多々あります。
だからこそ是非読んでいただきたいのがこの本です。
- 絶対におすすめしたい本が「実戦 顧客倍増マーケティング戦略 (事例でわかる)」佐藤義典
お客様の心の動き(「知って、買って、使って、ファンになる」という一連のプロセス)を認知率、購買率、利用率など「数字」で把握すれば、課題が数値で検証でき、やるべきことが具体的にわかるようになりるフレームワークです
このマインドフローの考え方は応用範囲が広いので絶対に自分にとってプラスになります。
なぜかというと、お客様が、対象を認知してからリピートするまでの“心の動き”を数値化しやすいロジックで分類しているので、仮説・実行・検証・改善がきちんと共有できるからです。
売上=客数×客単価
=(既存客×リピート回数+新規客―流出客)×(一品単価×買い上げ点数)
最初にあげたこの式の1つ1つにもマインドフローのロジックを当てはめることもできるので
・チラシ・インプロ・客同線・陳列などなんでも応用がききます。これを使わない手はないでしょう。
がむしゃらに頑張るのではなく数字でPDCAを回せるので成果が測定しやすく、再現性も高い!
- 以前に実際にやった例
私が以前実際に新しい店に赴任した際の例を少しデフォルメして出してみると
Ⅰ.仮説
この現状に対する仮説を役所のHPやレジデータなどを利用してたてました。
ここから、どこに力点を置くか・・・高齢化率の高い住宅街の小さな店でしたので、新規顧客を増やすのは効果が低そうでした、車で来店頂くにも駐車場の問題がでてきます。なおかつ車のお客様は駐車場の広い競合のほうに流れてしまいそうです。
Ⅱ.施策をどうするか
見ていくと欠落率の高い愛情(リピート)関門が一番伸びシロがありそうです。広範囲にチラシを撒くよりいかに頻繁に来て頂けるようにするかがポイントになりそうだと仮定して
ポイント・配達・地域密着のイベントの強化に加え、世帯構成を考え少量パックの取り扱い・少し高級志向・健康志向の品ぞろえや、ご要望品を細かいロットで取り寄せるなどの施策をしました。
Ⅲ.結果
来店頻度(客数)は残念ながら微増程度でしたが、買い上げ点数が向上し若干の売上向上ができました。
Ⅳ.改善
周辺の状況をみると、もともとのマーケットが小さいので新規客数アップはやはり難しそうなので、ポイント販促を変更し、特定の売り出し日以外の再来店を促す施策を打っていきました。
同時に主動線に並ぶ商品のアイテム数を増やし、買い上げ点数の増加を目指しました。
このようなPDCAを常に回して店を運営していました。
私の理解・実行力が低かったので、本のように「顧客が倍増」とはいきませんでしたが、少しでも実績を上げる為のチェックリストとして、ものすごく役にたちました。
その他にも・・・店のレイアウトを考える・・・
認知 : 電灯の照明時間は適正か 看板は汚れていないか
興味 : 店頭は活気があるか・イベントの告知はされているか
行動 : 入口が商品で狭くなっていないか・カゴ、カートは準備されているか
比較 : プライスはきちんとつけられているか 集合陳列、関連陳列はされているか・通路は広いか
購買 : レジでお待たせしていないか 使用できる支払い方法は見やすく告知されているか
利用 : 買い忘れなく調理ができる品揃え、陳列をしていたか
愛情 : 我慢をさせていないか・不愉快な思いをさせていないか・再来店向けの販促をしているか
など、お客様を購買・再来店までスムーズに誘導できているかのチェックリストとしても使います。もちろん、特定部門の支持率UPを狙ったり、単品の訴求やチラシレイアウトにも同じ考えが使えます。
(基本的には、下の関門の欠落率が高いところから手をつけていくのが、費用対効果が高いそうです。)
私たちは使えるものはなんでも使い利益をあげ続けなくてはなりません。そのためにはなぜうまくいったのか、なぜうまくいかなかったのか、数字で考えられれば成功の再現や失敗を未然に防ぐことができやすくなると思います。
同じ努力をするなら、自分の成長につながる方法をどんどん試していきましょう!
ここまで読んでくださってありがとうございます。
私たち実務家は、いろいろな理論・フレームワークを細かく使いこなすことは難しいです。
ずっと追い続けられる数字は1つか2つでしょう。
でも、多くの人によって真剣に考えられ、研鑽されてきた理論・フレームワークのほとんどには、利用すると便利なエッセンスが詰まっています。コンマ単位の数字が合っているかどうかより、大枠の考え方の流れを業務に当てはめて、論理的に仕事をしていきましょう。
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