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改めて思うと会社という仕組みはすごいと思います。
ただ個人が集合しているだけではできない様々な事業・プロセスが、専門化・分業化・分散化・集約化の仕組みによって日々続けられていることは考えてみると奇跡のようなものだと思います。
その会社と会社がさらに連携して社会を作っている・・・その中で働いている僕たちはかけがえのない経験をしているんだろうと思います。
仕組みというのは事程左様に強力なものです。
関係性だからね良いも悪いもあるよね・・・
ですが、その組織のありようが無用な対立を産みます。
会社の目標は基本的に利益を出すことです。
最終目的は共有されていますが、部分最適の和が全体最適にならないのは組織人なら誰もが体験していると思います。
それは組織や仕組みの組み立て方が間違っているからだと私は思います。
ではどうすれば部分最適の和が全体最適にちかづくのでしょうか?
私が悩んだ時に毎回読む本を紹介したいと思います。
売れる会社のすごい仕組み 明日から使えるマ-ケティング戦略
佐藤義典
私が読んで必ず役にたつと信頼している数少ないビジネス本著者の本です。
とにかく論理が一貫していて矛盾がないんですよね。
恐らくこの方の本と出合っていなければ、私は相場師のなっていたと思います。
今頃きっといないでしょうね・・・
それはさておき、もう10年前の本ですね。最初に見たときは「マーケティング脳を鍛えるバカ売れトレーニング」(現在は残念ながら販売されていないようですが)のような戦術チックな本かと思いましたが、「ドリルを売るには穴を売れ」という本の続編でした。
サイクルは廻り続ける!
内容は著者が提示している
「Basics」
「売上5原則」
「3つの差別化軸」
「マインドフロー~プロダクトフロー」
を駆使して 戦略立案→実行の徹底→測定のサイクルを組織として仕組み
戦略をつくる仕組み・実行を徹底する仕組み・測定をする仕組みを仕組み
効果を上げるアイデアが出る仕組みを仕組み、お客様の行動を推察する仕組み
・・・仕組みのオンパレード!仕組みの入れ子でフラクタルです。
舞台がイタリアンレストランの物語形式で進んでいき、高度な内容がわかりやすい平易な言葉で解説されています。
戦略と数字の融合は芸術
この本のきもはずばり「戦略数字」
・競合・リソース・差別化ポイント・顧客・伝え方 を現状から理想まで考え抜いて数値で確認したうえでクリティカルになる全社が集中する数字に昇華させる。
実践的なロジックの極地だと思います。
個別最適の和≠全体最適から「戦略数字」によって個別最適=全体最適への貢献にすることで戦略=組織=仕組みが他にはない強みになることが論理的に解説されています。
著者の方はマーケッターというかコンサルタントなので顧客は経営者です。
ですから当たり前のこととして、全社で取り組むということは人事・評価・報酬もからめなければ画餅に終わるとも指摘されています。
ここが現場の人間のつらさですが、逆に考えれば自分の権限の範囲でスモールテストできることはチャンスなのではないかと思います。仕組みの規模が小さい分サイクルが早くまわせて経験値が爆上がりです。
すごい仕組みの定義が「普通の人材が優秀な成果を上げる仕組み」ですから、スタートする環境は充分整っています!
指揮下に組織が無くても組織の最小単位である自分の仕事を仕組みで優秀グループに押し上げればいいわけです。
本のタイトルに、「明日から使える」とありますが、私は「今から考え出せる-すぐやりたくなる」でした。
私は物語の舞台である飲食での経験はないですが、なのにこれだけ真に迫るイメージが湧き上がるのは、著者の現場での実戦経験と錬り続けた理論が一生懸命働く我々の願いに触れるからだと思います。是非読んでみてください。
本当に何度も読み返すことが出来る良書との出会いは素晴らしいものです。
今回、紹介した本の著者のかたのすごいところは、一般的にセンスや経験でまとめられてしまう、アイデア出しや感覚の表現など定性分野を、それは技術であると提示し再現性を高め仕組みに組み込めるということを実証させてくれるところです。
この考え方を知ってから、提案ネタに困ることはほぼありません。
本当に読書というのは、趣味も実益も兼ねていいものだと思います。
今回の本で一番好きなフレーズは
「できないことをしなければ差別化にならない」
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