読書録 ISM インストア・マーチャンダイジング

読書録

ISM  IN=STORE MERCHANDISING

インストア・マーチャンダイジング(第2版)

公益財団法人 流通経済研究所 編

 

2016年に出た改訂版、オーバーストア状況や異業種の食品販売の拡大などでスーパーの新規顧客取り込みが高コストになるなか、インストア・マーチャンダイジングの重要性が増してきた。

しかし、中小零細スーパーでは、数値に基づいた戦略の模索や意思決定は少なく、上席の体験(思い込み)が意思決定の重要な要素になりがちである。曰く、俺がやれば…俺の時代は…、勿論、体験に基づく考えは大事なものであるが、本当にそうなのか?という問いかけをし続けることにしかこの競争で生き残っていくことは難しい。

その為の基礎的な知識がこの本で得られる。

1章のISMの基礎知識は業界で働く為には必須の知識

2章の店内の消費者行動の基礎知識はデータ分析をするうえでの勘所として押さえておきたい。

3章、4章のフロアマネジメント・シェルフスペースマネジメントはいわゆる図面・大棚・棚割りの基礎知識だがこの知識がないとお客様を気持ちよく誘導できない独りよがりな店になってしまう。

5章以降はインプロ手法や業態ごとの特徴、カテマネにネットスーパーなど当時のホットトピックの章でこれはこの当時の状況から現在どのように進展していったか最新の情報にアップデートする際の参考にしたい。

よほど尖ったコンセプトの店舗以外は必ず同質化競争が起こる、その時に基本的な情報・データ・知識なしにがむしゃらに走るより、どこを守り、どこを破壊するのか基礎をもっておかなければ再現・発展させることはできない。業界に特化した同種の本は少なく良い一冊だと思う。

 

 

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