数字の見方を「考えよう!」 グラフや数字は嘘をつく?

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最初に頭の体操です。

・あなたはA店・B店という2つのお店のオーナーです。

・2つのお店はそれぞれ離れていて別の商圏です。

・それぞれの商圏にライバル店が1店づつあり商圏には他のお店はありません。

・5年前にA・B合計の商圏市場のシェアは46%でした。

5年間営業努力を重ねA・B合計の商圏市場のシェアが51%になりました!

しかしA店もB店も両方それぞれの商圏でシェアを落としていると報告がありました

こんなことあると思いますか?

数字に負けない為にどう考えればいいのか

仕事で大事なのは数字です。

達成率・予算比・前年比・生産性・PI値・・・

基本的に仕事の数字は比率で表すことがほとんどです。

売上予算60万円!みたいな絶対値に思える数字も裏では、前年比や経費率のような計算の結果だと考えると全てなんらかの比率の計算結果で我々は一喜一憂するわけです。

勿論、仕事ですから、予算はやればいいわけですが、その予算の組み方や、予算と現状を埋める為の施策の根拠がおかしいなと思うことが日々あると思います。

別に論破する為ではなくて、組織のルール(法則)を知らないと効率が上がりませんし、計算の前提となる根拠が違っていれば、異なるアプローチから同じゴールを目指すことができます。

(これが多様性だと僕は思っています。)

この本おすすめ

数字の見方・グラフの書き方などを扱った本は多くありますが、僕が読んで面白かったのは

 

数字のからくりを見抜け!-学校では教わらなかったデータ分析術 吉本佳生 です。

帳票の見方や、P/Lなどの見方は出てきた数字の共有なので覚えればいいのですが、そこから原因や改善策を探るとなると「考える」必要があります。

その時にデータのクセや、基本的なグラフの見方、そもそも何かを表現・伝えるときの欠損。欠陥を知らないとせっかくの意思決定の成功確率が下がってしまいます。

分からないからと尻込みするのは論外ですが、自分が無謬でなければならないと追い込むのも危険です。スピードを上げながら視野を広く保つ為にもたまにはこういう本など読んで引き出しを増やしていきましょう。

ここが面白い

この本の冒頭はグラフの見方の難しさ・表現のあいまいさについて事例をあげながらコミカルに会話調で展開されていきます。

読んで頂ければわかりますが、この10年間、問題になってきたメディアの情報の伝え方に影響されない物事の見方ってこういうことなんだろうなってことがわかると思います。

・グラフは全て錯覚を引き起こす。
・全ての情報をひとつで表せるグラフは存在しない。

この2点が頭の片隅に残っていればきちんと違和感を感じながら数字と向き合えると思います。

4章くらいに出てくる「客は店の混み具合を錯覚する」も面白い章でした。

お客さんは、「あの店はいつも混んでいる」と不満を覚え

お店は、「最近、暇だなあ」と思っている

このギャップはどこからくるのかというものでした。

立場が変われば計算結果が変わり、どちらも正しいという事例で「お客様目線」なるものを考える時にはただ想像するのではなく、数字の扱い方でも立場を変えることができるのは意識したほうがいいと思います。

頭の体操の答

冒頭の頭の体操も問題にするくらいですから、もちろん答は「そういうこともありうる!」です。

逆に言えば、各市場でシェアを上げてもトータルではシェアが下がっているということも起こります。

これは市場成長率の高かったところでの伸びに対するシェアの差がなど、違う分析をすれば直観通りにはなるのですが、問題はこのとき、業績を多きく伸ばしたという事実と、市場の成長の取り込みで他社に遅れたという事実から何を原因として考え、改善していくのかというのが本題です。そして現実としてシェアで逆転したライバル社が伸びている市場を押さえているということをきちんと押さえないと油断して再逆転されてしまうかもしれません。

その他にも意味がありそうにたまたま見えるけど、実は意味のない計算の見抜き方。相関関係と因果関係の違い 例外による錯覚、など言われてみれば世の中そんな数字で溢れているな錯覚しないようにしなきゃと思わせてくれる内容がいっぱいの本でした。

数字を追うのが僕たちの仕事ですが、意味のない数字に振り回されては結果はでません。

結果は常に不確定だからこそ、きちんとした物事のとらえ方と強い意志が必要です。

いろんな経験をしながら、賢くなっていきましょう!

 

最後にこれは12章に書いてある確率計算の問題の改変バージョンですが、ギャンブル好きのTさんへのプレゼントです。

 

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