スーパーで働くなら必ず読んで欲しい本
スーパー関連の本って、創業者物語か、経営者・幹部向けの本ばかりで、今、悩んでいたり ふわっとした違和感を持っている「私」にバチッとくる本ってなかなか無いと思いませんか。
そんなあなたに、絶対読んでほしい本があります。
「スーパーマーケットほど素敵な商売はない―100年たってもお客様から支持される企業の原則 」安土敏
私は10数年ほど前、他業界から転職してスーパー業界に入りました。その時に言葉にできないもやもやがありましたが、そんな時この本を読んで「考え方の基礎」を見つけました。
それから、店長になり、販売士1級を取得するなど、販売業を体系的に学習し続けた今でも、この本は、理にかなった実践可能な気づきがちりばめられている名著だと思います。
スーパーで働きだした人が、何かヒントをつかもうと思っても、なかなかピンとくる本がありません。
なぜなら、ひとくちにスーパーといっても、
・他業種のチェーン店のようにフォーマット化されていない。
・イオンやヨーカドーのようなナショナルチェーンからパパママショップまで 様々な規模、業態が入り乱れている。
・その為、創業者立志伝や、ビジネス一般の経営幹部向け本にすこし業界色を足したもの、またはIT利用で業界が変わる!みたいなある程度のボリュームがあるターゲット層向けの本しか、目に入ってこないように見えます。
その為、自分の環境で役にたちそうな情報と、本の内容にギャップがでる。
→自分(の会社)には当てはまらないな・・・と思ってしまう。
結果、自社のマーチャンダイジングなるものに慣れてしまい。置いてある宝の山に気がつけなくなってしまう。
この悪循環から一歩ぬけだしましょう!
まずは「スーパーマーケットほど素敵な商売はない―100年たってもお客様から支持される企業の原則 」
これを読んでください。
スーパーに限らず、食品を扱う商売をしている方におすすめの一冊です。
いや、ものごとの本質をつかむことは、誰にでも役に立つことですから
全ての働く人におすすめしたい本です。
なぜこの本がおすすめなのかというと
・スーパーが何をお客様に提供しているのか⇔お客様が何をスーパーに求めているのか
これが一致するような視点に気づける。
・慣れてしまって、普段何気なく見過ごしている仕掛け・仕組みの狙いを考える思考に気づくことができる。
・何より普通の言葉で語りかけるように書かれているので、読みやすい
まとめてしまうと、消費者だったときに当たり前だったことが、売る立場になると会社の都合が優先されて、価値がわからなくなってしまう。
でも、きちんと考えれば業界の常識なんてただの自分たちの都合だよってことが気づけると思います。
本当の価値に気づかないと、高額な販促も、最先端のマーケティングも無駄な努力になってしまいます。それどころか、私たちは知っていることしかできないので、基礎が間違っている努力は被害がより拡大します。
この本を書かれた 安土敏(あづち さとし)さんは、関東の食品スーパー「サミット」の元社長です。スーパーの黎明期の躍動を簡易な言葉で、商売哲学とともに書かれています。
勿論、「その時代だからでしょ」「ニーズが多様化しているからこの手法はどうなの」「経営者以外には関係ないんじゃない」「即効性のある販促が知りたいのに」という感想もあると思います。
その気持ちもわかります。
今すぐ効く薬が欲しいのは、新人さんでも、社長でも、もちろん私も一緒です。
それでも、ベース・基礎・本質をしっかり自分で作らないと、目の前の数字を追いかけまくっているうちに変化に対応できなくなってしまうと思います。
たしかにこの本の内容の中には、時代・環境のめまぐるしい変化で表面上は陳腐化し、効果が限定的に見える手法・思考もあると思います。それでも本質に戻れば今でも充分すぎるほど実効性がある手法や思考が提示されてます。
まずは、GMS(イオンやヨーカドーのようなモール型)の食品売り場と、地域密着の食品スーパーのそれぞれのモデルの違い、期待される役割の違いが理解できるだけでも、この本に対する投資が十分回収できると思います。
結局、自分には当てはまらないと思うのは、仕組みとしての理解が少ないからだと私は思っています。 論理的に考えていけば、ほとんどの本に気づきがあります。気づけないのは自分の理解度が低いからだと思っておけば良いので、何事も否定から入るのは損ですね。
業種・業態・時代・環境が、自分とは関係なく見える情報でも、いえ、むしろ関係がなさそうに見えるの情報のほうが気づきを得たときのインパクトが大きいと思います。
読んでいただきありがとうございます。
小売り・サービス業で働く私たちの自己評価がどんどん上がれば、もっと利益もでるし、もっと楽になるし、何より楽しく働けると思います。
その為には勉強と実践を繰り返すのみです。
同じパターンが2度と起きない、レベルの高い業界だからこそ、常に好奇心を持って挑戦を続けたいと思います。
少しでも、共感してもらえるところがあれば、うれしいです。
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