中小企業にマニュアルは必要か?

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あなたの会社にはマニュアルがありますか?

もしマニュアルが無いとしたら大チャンスです。

もしマニュアルはあっても、入社式以来見てないよ!っていう会社の方も大チャンスです。

マニュアルが無い会社、使われていない会社は、膨大なムダが存在しているはずです。

文章化して共有するだけで、生産性が飛躍的にアップします。

そしてあなたはマニュアルを作る過程から多くの知見を得ることができます。

マニュアル作成をすることで、その会社のゼネラリストとして、

部門間をつなぐハブとして無くてはならない人材になること請け合いです。

まずは自分が毎日行っている作業から、マニュアル化していきましょう。

 

でもうちは中小企業だからOJTで充分だし、気心の知れたメンバーだから分からないことは聞けばいいよ

 

マニュアル通りにいかないことのほうが多いから必要ないよ。

 

わかります。ただでさえ忙しいのに、見て聞いて覚えてくれよってことですね。

それぐらいの熱意を持って仕事しようよってことですよね。

ですが、マニュアルにはその貴重な時間をかけて作成する価値があります。

あったほうがそりゃいいよ、っていうレベルではなく絶対にあったほうがいいです。

少しみていきましょう。

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マニュアルのメリット

マニュアルがあるといいことってなんでしょう?

新人教育や引継ぎで

・もれ・ぬけ、間違いがなくなる。
・誰でもある程度、同じレベルで教えることができる。
・カリキュラムがつくれるので、教育の進捗がわかる。

他部署との共有をすることで

・他部署からアドバイスがもらえる
・自分の業務が会社の流れのなかでどの役割を担っているかわかる。
・実はやらなくて良いことが発見される。

まずは評価の透明化と仕事の意義が明確になるため生産性があがります。

組織が共通の言語で語れるようになると戦略実行にブレがなくなります。

そしてなによりマニュアルを作る人になることで、他部門との連携が取れる人になりますし、全体最適を考えられるので意思決定に関わることのできる人材になることができます。

 

マニュアル作成の基本的な考え方を知ろう

もちろん、実際のマニュアルは会社によって違いますが、基本の考え方を共有するのに良い本があります。

「無印良品は、仕組みが9割 -仕事はシンプルにやりなさい-」 松井忠三著

無印良品をV字回復させた経営者が語る、仕組みに基づいた実行力も発揮させる為のマニュアルから組織の本質を問う本です。

とても読みやすいですが中身は深く

努力を成果に直結させる為の組織・手法とはなにか。
個人ではなく、組織に知見が貯まり成果を出し続ける仕組みとはどんなものか。
売上・利益・経費といった数字だけでなく会社の風土として強く成長し続ける組織とはどんなものか。
生産性を高めるというのは、個人を磨耗させることとは正反対である。

など、小手先ではなく、前進を続ける為の組織づくりの知見が実戦をもとに語られます。

すぐに実行できることや、自分のマインドセットに役立つ学びが盛りだくさんです。

ぜひ読んでみてください。

 

マニュアル本来の意義

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マニュアル人間という言葉があるように、マニュアル(=ルール)にはネガティブなイメージがありますが、本体の意義をたどっていけば、戦略を実行する為に組織があり、それぞれの組織が与えられた役割を遂行するために作業をするわけです。そこには決まりが必要ですし、成功の共有と、ミスの再発防止の為にルールがつくられます。

それをまとめたのが、マニュアルです。

マニュアルの目的は、人を縛るのではなく知識・体験をTPOを超えて共有するためのツールです。

効率良く成果をだし、成長する為に役立てながらブラッシュアップするものがマニュアルだと思います。

 

たまに「ルールは破る為にある」と思っている人がいます。

融通を利かせてショートカットするのが、役職者の実力だと勘違いしている人がいます。

違います!ルールを守らせる・ルールが間違っていたら正しいルールを作るのが役職者の仕事です。

ショートカットがあるなら、そこが本来のルートになるようにマニュアルをブラッシュアップするのが役職者の役割だと思います。

 

まずは自分の業務を文章化しよう

ほとんどの人は自分でルールを作ることのできる範囲は狭いと思います。

またかなりの範囲でルールを決める権限があったとしても、まず今の業務を文章化してみることをおすすめします。

新人だった時の自分に教えるつもりで「手順書」を書くと、意外と今の業務でさえ上手く説明できないと思います。

「やればできるけど、人には教えられない」これは組織人として仕事を理解しているとは言えないと思います。

組織で動く強みは、成功体験とミスの再発防止策の水平展開です。

そこにさらに別の人の知見が追加されて重層的な戦略・戦術が構築されていくのが組織で働く醍醐味です。

個人の資質だけでは、リスクを取っている個人事業主にとてもかなうはずがありません。

組織の強みは資本だけではなく、ひとつの目的に多くの人が関わることだと思います。

多くの人がより強く関わることができるようにする為に優れたルールは必需品です。

もちろん組織を変えるマニュアルはすぐにはできません。

まず今の業務を書き出し、最適な順序手順なのか検討し共有して意見をかわしてみてください。

同じ業務を行っている人だけでなく、他の部署の方にも共有するともっと効率のいい方法や、実はもう必要のない作業が出てくることもあります。

トップダウンで新しいルールを作ることも必要ですが、ボトムアップで錬られた手順も持続力があるので強力な独自資産になります。

全体最適のバランスをとりつつ常にお客様にとっても、自社にとってもより良い手順を生みだし続ける文化は、派手ではないかもしれませんが、他社にはまねできないので最高の差別化になります。

マニュアル化のプロになろう

マニュアルの力は組織を強くします。

そして是非、マニュアル化といえば「あなた」といわれるように先頭にたってください。

言語化、文章化のアウトプットを評価される貴重な体験ができます。

論理的思考が必要ですし、具体化→標準化→具体化など思考レベルの調整なども実戦できます。

関係者との協力関係を築くなかで一次情報に触れられる貴重な体験もできます。

仕組みを握った人間は最強です。惜しみなくどんどん教えてもそれ以上に情報が入ってくるので、基本的に社内競合はおきません。全力で仕事に打ち込む下地作りが評価されるのは最高です。

意思を一致させる作業は、先にやったもの勝ちです。

まず行動を始めましょう。

 

お読みいただきありがとうございました。少しでも参考になれば嬉しいです。

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