「お客様の視点にたって商売をしなさい!」よく耳にする言葉ですが、それは無理です。
せいぜい、自分が客だったら買うかどうかの判断ができるくらいです。
「オレはお客様が何が欲しいか判っているぜ」というのは思い込みです。
百害あって一利なしです。
でも、お客様がどのように購入する・しないを決断するのか、追体験するフレームワークは
・AIDMA・マインドフローなど数多く紹介されています。
これを利用しない手はありません。
FRCPって何?
今回は一番シンプルなFRCPをご紹介したいと思います。
項目が4つしかなく単純で考えやすいです。いきなり細かい分析をするのではなくまず大枠を捕らえることからスタートするのがいいと思います。
また、にげなく目にした行動だったり気になった情報もカンタンに当てはめられるのでTPOを問わず楽しめます。
FRCPの法則とは
「お客様が比較して決断する優先順位は、
の順番だよ。」という法則です。
これは全てお客様の頭の中で、競合(別のお金の使い道)と比較してお客様が選択する基準の優先順位です。
F→R→C→Pの順に判断していき、各レベルで同等の競合がなければ、そこで決断をするというものです。
考えてみれば当たり前で、おなかが減っている時にご飯屋さんが1軒しかなければそこで食べますよね。(F:functionality )
もし2軒あったとして、1軒が有名なチェーン店で、もう1軒がスリガラスで内の見えない個人のお店だったら多くの人はチェーン店に行くのではないでしょうか。(R:reliability)
また2軒とも、有名チェーンだったとしたら近い方に。また時間によっては24時間営業で確実にやっていそうな店にいきますよね。(C:convenience)
その上で、どちらも似たような条件ならお得な店に行くんじゃないでしょうか。(P:price)
いや私は少し遠くても、安い店に行くよ!
そうです。P:priceはとても強力なんです。
このFRCPに限らず、絶対っていうフレームワークは存在しません。
でも、安いほうにいくよ! というときにはまず2つパターンが考えられます。
1.FRCの部分が伝わっていない。(価値がある差がないように感じられている)
2.「この予算で食べたい」という、Pに思えていた事が実はFだった。
こう考えるとそこから差が無いと感じられていつのであれば、差別化ポイントをどうやってつくり、どう伝えれば価値を感じてもらえるかという打ち手が必要だとなります。
予算が機能として選択されるのであれば、予算内で収まる競合の中でどう選んでいただくか。
そこからFRCPの検証をすることが出来ます。
ツールは考える為のフックですから、柔軟かつ論理的につかいましょう!
値段競争から抜け出そう!
先程も言いましたが P価格 はとても強力です。少々の差別化は吹き飛ばしてしまいます。
それは価格は誰にとってもわかりやすく差がダイレクトに伝わるからです。
ですが、この価格勝負で生き残れるのはどこより安く売っても利益がでる仕組みが作れる、限られた企業だけです。
でもどうでしょう、特許などで守られていたり、そこまでではなくても他にはない商品・サービスであれば、それしかないのですから値段の決定権が売り手に多くあります。
また、独自のブランド「○○買うならあそこだよね」とポジションを得ることができれば同じものが安く近くで売っていても指名買いされます。
またコンビニに代表されるように、近くでいつでもやっている!や、自分の好みに合わせた対応、提案をしてくれるとなれば少しくらい高くてもそこで買う確立は高くなります。
これは、価値>価格の時にお客様は購入する。という公式から考えるとFRCPの最初のほうが価値が高いからです。
その得られる価値と投入するコストのバランスで、自分がどこのポジションを取るかということが決定されます。
そして自社の戦略でF→R→C→P→F……と最適化のサイクルを回すのが企業の成長となります。
まず自社のポジションを見直して、コストをかけるのにもっと良いところ(効果的に差別化できるところ)はないだろうかとみつめなおしましょう。
自分の市場価値も考えよう!
そしてこの考えは自分の市場価値・社内評価にも使えます。
自分のやりたいことをする為にもポジションは大事です。
・自分は、他の人にはできない(他の人がやらない)仕事をしているだろうか。
・きちんと日々仕事を積み重ね期待に応えているだろうか。
・相手の気持ち、立場を考えて行動しているだろうか。
また何かを学習するときに
・他の人がなかなか手をつけない分野を、
・誰よりも専門的に、
・アウトプットを出し惜しみ無く
学べば自分の価値が上がらないはずがありません。
簡単な表にまとめると
|
店 |
商品 |
自分の市場価値 |
F |
あそこにしか売ってない |
この商品しかこれができない |
あいつにしかできない |
R |
あの店は品質が良い |
こわれにくい・使いやすい |
きっちりやってくれる |
C |
近い・長時間営業 |
どこでも手に入る |
いろいろなことができる |
P |
安い |
安い |
時間単価が安い |
お客様は瞬間的にFRCPの順番で判断していきます。
上司はFRCPの順で仕事を割り当てます。
早い段階で選んで頂ければそれだけ利益率は高くなります。
ならば業務の優先順位・自分の学びの優先順位もこの順番にする方が合理的です。
チラシばかり売って定番がぼろぼろでは、利益はでません。
我慢して長時間労働にも文句は言いませんが売りでは単価の低い新人に負けてしまいます。
顧客視点からみてもなにが合理的かは明白です。
それぞれの業務・学びがFRCPのどの部分を強化しているのか、本当にそれがお客様に伝わっているのか、いつも頭の片隅において仕事をしましょう!
大枠がつかめたら、更にマインドフローといわれるフレームワークも使ってみましょう。
おすすめの本について記事を書いたので、是非ご覧ください。
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